相続の時が伝えるタイミング?二つの言いにくい言葉。

サポーさせて頂いているご家族の相続前手続き、先週あった少し
嬉しいこと、紹介させて下さい。

※話の趣向を代えない範囲で、登場人物などに手を加えています。

80代お父さんが所有している以前住んでいた
愛着有るマイホーム(長年ほとんど使ってない)
を手放すかどうかをお父さんが悩まれた末、

「今後の老後の暮らしの資金繰りの観点」
「メンテナンスがしきれない観点」
「固定資産税など税負担の観点」

からお父様もそろそろ手放す決断をされました。

ところが、いままでの想いでが詰まった建物でもあっため、
お母さんが反対します。

黙って売却するという選択肢もなくはないのですが、
いずれ分かったときは間違いなくもめる・・・涙

そこは慎重にお母さんにも話を通すことになりました。

ただ、このことをお父さんからお母さんに直接話すと、
間違いなく夫婦喧嘩の種になることが想像されます。

そこで話し合った結果、関西圏で暮らす長女(姉)と
九州に嫁いだ次女(妹)の子どもたちから

「お母さんの老後の暮らしをいかに支えるか」
「お母さんの介護の資金的支えをいかに余裕をもってするか」

という話の入り方で

「売却に向けて、ふわりとした
承諾をお母さんからもらってはいかが?」

という話をご長女さんに提案したところ
長女、次女と私を交えた3人での家族会議を
する運びとなりました。

家族会議内での私の役割は課税関係の一般的な説明や、
第三者としてのアドバイスはするのですが、
基本的に論点を整理して、話が前に進むようにするだけです。

・会社の会議で言うファシリテーター
・政治の議会でいう議長
・バス旅行ツアーでいうバスガイド

そんな役割です。

九州で暮らす次女さんに大阪まで来ていただくわけにも
いかず、私が長女さん宅に伺い、オンライン会議(ZOOM)で
九州のご長女さんとオンライン上で繋がりました。

コロナ禍でこういうちょっとしたことが
簡単に当たり前にできるようになったのは本当に
画期的なことだと思います。

会議は順調に進んだのですが、
ご長女さんが終わってから言ってくださった一言がとても心に残りました。

「妹があんなこと考えているなんて思いもよりませんでした。話せて良かったです」

そんなご長女さんの言葉です。

実は、ご次女さんはこんな話をしてくれました。

「お姉ちゃん、普段、お父さんお母さんのお世話をさせてしまって、
ごめんね。好き勝手に遠くで離れて暮らせてるのもお姉ちゃんのお陰。
まだこんな事言う段階じゃないことは十分わかってるけど、
これから先、万一の時はお姉ちゃん主導で相続のこと考えてくれたら、
それで私は満足だからね」

みたいな話です。

ご長女としては、法定相続という考え方がベースにあるものと
思って正直ドキドキいたので、妹からそんな言葉を
画面越しオンラインで、話し始めてちょっとびっくりされた様子でした。

「妹があんなこと考えているなんて思いもよりませんでした。話せて良かったです」

とご長女さんが言ってくださったわけです。

今回の会議の主たる目的とは違うやり取り、いわば「副産物の会話」なのですが、
私としても会議を提案して良かったなと思える出来事です。

相続について家族会議を進めていると
思いもよらない言葉が飛んでくることってあります。

今回の話は良い方向の想いもよらない言葉ですが、
必ずしも良い言葉ばかりでもありません。

兄妹がいて、

<妹>
「お兄ちゃんは小学校のころ、テレビゲームなんかも買ってもらって可愛がってもらった。」

「お兄ちゃんは私立大学に浪人して行ったけど、私は短大卒業で我慢した」

<兄>
「妹はいつも親父にかわいがってもらって、初孫が生まれたときは、、」

「妹は確かに短大かもしれないが結婚式のときや新婚旅行は確か、、、」

みたいな、「えっ?いつのこと?」みたいな過去の想い出
が出てくることだってあります。

 (すべて一般論です。念のため)

直接相続と関係ないように思えるのですが、
こういう話が相続を淀みなく前に進めるための
大切な話であることもあります。

こんな話になったときは
もしかしたら伝えるチャンス!なのかもしれません。

簡単なキーワードですが「ありがとう」と「ごめんなさい」です。
簡単なキーワードなんですが、言いにくいし、言わないんですよね。

勝手に「言わなくても分かってくれてるだろう。分かってくれてるはず。」
と勘違いしがちです。

これ実は私のことでもありまして、9年前の母親からの相続手続き中で、
掘り起こされたずいぶん昔の話にカチンときて、感情的になって、、、、

といういきさつがありました。

 (細かい昔話の詳細は割愛させて頂きます。
前述した「お兄ちゃん、妹は・・・」みたいな話のカテゴリーです)

感情的になるという選択もなくはなかったのですが、
その時の自分にできる精一杯の「ありがとう」と「ごめんなさい」を
手紙に書いてそれを本人目の前にして読んで渡す時間を作りました。

別に相続手続きの中でそれをしなければいけないことではないのですが、
色々、悩んで、考えて、悔いを残したくないと思って、
自分にできる精一杯の「ありがとう」と「ごめんなさい」をしたわけです。

伝わったかどうかは分かりませんが、今でも精一杯ということに悔いはありません。

その時はドキドキでする意味・意義も100%の確信はないのですが、
今は本当にこれやっておいて良かったと
思える「ありがとう」と「ごめんなさい」です。

どちらも時として言いにくい言葉かもしれませんが、
相続を前に進めるには重要!?
というシンプルキーワードと思います。

「ありがとう」と「ごめんなさい」
簡単そうで、時として難しい言葉ですね。

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