自宅の名義が亡くなったお爺ちゃんのまんまなのですが、、、というご相談

ご相談頂くケースの中に多いのが、

「実家の名義が亡くなったおじいちゃんのまんまなんですが、、、」

というご相談を多く頂きます。

 

年一回送られてくる固定資産税だけは

ご家族のどなたかが支払っているというケースです。

固定資産税通知が届く家はまだ良いのですが、今問題になっているのが、
所有者が誰か分からない所有者不明の土地、
国土交通省の発表によると実に九州一個分の面積に匹敵します。

どうして名義がご家族に変わらないのでしょうか?
手続きが難しいから?

いえいえ、亡くなられた方の不動産を相続人が相続する
「手続き」自体は難しくはなく、むしろ簡単です。

亡くなった方の名義から、ご家族(相続人)に
名義を変える手続きについて、順をおって確認していきましょう。

手順1:法定相続人の間で話し合い

「実家を誰が相続するのか?」
まずは、残された法定相続人の間で決める必要があります。

100%を1人にすることもできますし、
50%ずつ2人で共有することもできます。

話し合いの結果は自由です。

町中にある取引される不動産は「欲しい、欲しい」になりがちですし、
田舎にある取引が成立しない山、田畑は「要らない要らない」になりがちです。

「手続き」は簡単なのですが、この「欲しい欲しい」「要らない要らない」の
駆け引きとも、綱引きとも、押し付け合いともいえる
「相談→決定」が難しく、なかなか決まらないということが多くあります。

面倒になってホッタラカシということも・・・

相続人が多くて、遠方にいる、高齢である、
連絡が取りにくいとなるとなおさらですね。

いずれにしろ、話し合って「誰が」「どの部分を」引き継ぐかを
決める必要があります。

手順2:分割協議書の作成

話し合って決めたことの証拠として分割協議書を作成します。
この協議書がないと相続による所有権の移転登記ができません。

分割協議書の作成がご自身で難しければ、
司法書士さん等が請け負ってくださいます。
遠方の方に頼むと交通費、出張費など必要になりますから、
実家があるお近くの司法書士さんに頼むと良いでしょう。

所有権の移転登記と合わせて司法書士さんが動いてくれます。

その気になれば、分割協議書を自分で作ることもできます。
インターネットでひな形がたくさんありますから、
使っていただくのも良いと思います。

もしくは法務局の窓口で相談すればどんな分割協議書を
準備すればよいか、ひな形を提示して教えてくれます。

予約を取ってから行く事をお勧めします。

相続財産が実家の土地・建物だけで、管轄の法務局に
足を運ぶのが面倒でなけれ費用もその分浮きます。

自分で手続きを進めることで、亡くなった故人やご先祖様に
想いを馳せて、どこか納得感、心のけじめが
つきやすいということもあるかと思います。

実家が遠方で、相続人の印鑑を何度ももらえないような場合、
手続きに不備があると手間がかかって大変です。

失敗が許されない、そんな場合は、
やっぱりプロにお願いすることをお勧めします。

手順3:法務局で相続登記

作成して署名・実印押印した分割協議書をもって
法務局で所有権移転登記をします。司法書士さんに
依頼した場合は、司法書士さんがやってくれます。

必要な書類は法定相続人の印鑑証明書、被相続人の原戸籍謄本、
相続人と被相続人の続き柄がわかる戸籍謄本、相続する人の住民票
亡くなられた方の除籍です。

手続きの際には登録免許税を印紙によって納税する必要があります。
相続登記の登録免許税=固定資産税評価額×0.4%となりますから、
例えば評価額1000万円の場合4万円の印紙が必要になります。

これにて無事、相続による不動産の所有権移転登記が完了し、
実家は新しい所有者の物になるわけです。

・・・ところが先述の「誰のものにするのか」の話し合いの部分が進まず、
亡くなられた方の名義のままの不動産が増え続けています。

この増え続ける所有者不明の空家問題は、国も黙っていることができなくなり、

不動産の相続登記が2024年4月1日から義務化されます。

かいつまんでポイントだけお伝えしますと、

ポイント1:相続登記をしないと10万円の過料が課せられる

ポイント2:2024年4月1日以前に発生した相続についても、  
2024年4月1日から3年以内に相続登記をしないとペナルティの対象になる

ポイント3:登記所が住民基本台帳のデータベースから
不動産所有者の死亡を把握できるようになる。

という3点です。

九州一個分の土地に過料請求するのは大変な労力で、
どこまで実効性があるのかは2024年にならないとわかりませんが
できるだけ早めに話し合いをしておかないと、
課題が次の世代、また次の世代に持ち越されることになります。
早い段階で、円満、スムーズな解決ができるのが最善ですね。

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